温室効果ガスの削減は全世界の喫緊の課題となっています。建設が関連する分野からの二酸化炭素排出量は、国内総排出量の24%を占めます。土木分野においては、材料の製造に伴い排出される二酸化炭素量が全体の76%を占めます。このことは、建設分野における二酸化炭素排出量を抑制することの意義の大きさ、そしてリサイクルや構造物・建物の長寿命化の重要性を示しています。
本研究室では、これまでにないアプローチによる各種建設材料のリサイクル手法の開発や、構造物・建物の長寿命化、効率的な維持管理手法の確立などを通じて、温室効果ガスや廃棄物の排出量の削減に貢献することを目指します。
全世界で数千年以上使用されてきたコンクリートをはじめとする建設材料や構造物は、多くの研究者により開発・改良が加えられてきたため、すでに非常に洗練された形にあります。そのため、改良のために残された課題は複雑であり、解決は容易ではありません。
このような問題に対して、本研究室では学際的なアプローチを推進しています。これまでの研究では、応用化学や生物医学、地球科学、地盤工学、熱エネルギー工学などの分野の研究者にご協力いただきながら検討を進めています。
様々な自然現象に好奇心を持ち、他分野との交流を厭わず、挑戦を恐れない学生さんをお待ちしています(そうでない学生さんもお待ちしています)。研究室の見学や他専攻、他大学からの進学も歓迎しますので、お気軽にお問い合わせください。
下記の動画で33分ごろから、最新のコンクリート技術やコンクリートを取り巻く環境問題の紹介と、当研究室で進めているコンクリートのリサイクルや次世代コンクリート技術に関する話題提供をしています。9分ごろからは当研究室とのコラボで作製されたプロトタイプの紹介もあります。
参考:公益財団法人日本コンクリート工学会:コンクリートの環境テキスト(案)改定版、2016